解決事例91 女性(20歳)・高次脳機能障害7級4号:外傷性てんかんについての事例

No.91

依頼者 女性(症状固定時 20歳)
等  級 高次脳機能障害7級4号・臭覚脱失12級相当・既存障害 てんかん9級10号
傷病名
職業

【事故態様】  自転車VSバイク

 Aさんは当時高校生でしたが自転車通学していました。通学路には見通しが悪い交差点があったのですが、Aさんがこの交差点で加害者のバイクと出会い頭に衝突、Aさんは吹っ飛ばされ頭を強打しました。
Aさんのお父さんはAさんが入院を継続しているので今後の手続きがわからず弊事務所に相談にこられました。 当時Aさんは頭部を強打し脳挫傷により高次脳機能障害を発症、また、嗅覚が消失するという障害を発症しました。

【交渉過程】

今回の事故では、当初保険会社の提示金額は1,700万円でした。

  ↓

交渉の結果…示談金額が800万円増額の2,500万円に!!

高次脳機能障害については当初の意識障害の所見があったので、これを前提に画像を精査、その上で医師に「神経系統の障害に関する医学的意見」について検査結果を詳細に記載していただくことを依頼 家族にも日常生活状況報告書に事故前と事故後の行動の違いについて詳細に記載してもらった。さらに事故前と後とで学校の試験結果の違いなどを客観的な報告に努めた結果後遺障害7級4号を獲得した。
さらに嗅覚の脱失については医師にアリナミンテスト T&Tオルファクトメータ 検査を実施することを依頼し客観的に嗅覚が脱失していることの立証に努めた。その結果嗅覚の脱失については12級を獲得した。
さらに、Aさんは事故前にてんかんを発症しており、これが既存障害として9級10号という認定を受けていた(既存障害とは「既存障害」がある部分と同一部位(同一系列を含む)に障害が生じて、より重い後遺障害を残すことになった状態です。 「既存障害」とは、今回の事故以前から、身体に存在していた後遺障害をいいます。 既存障害には、先天的なものや交通事故以外の事故を原因とする後遺障害も含みます。)
この既存障害について予想より重い認定を受けたため、脳波検査結果を取り寄せて精査して、現在てんかんの症状を指し示す棘波が存在しないことやてんかん発作が最後に発症してから相当期間経過していることなど主張して異議申し立てを行った。

今回の解決事例のポイント

てんかんに関する異議申し立てについてはてんかん抑制の薬を現在も服薬していることを理由に認められなかったが既存障害について異議申し立ての課程で理解を深めていただき納得していただいた。
損害額について、当初保険会社は嗅覚の脱失について日常生活に影響がないことを理由に賠償提案をしなかったが、Aさんが歯科衛生の学校に通っており、歯科衛生士の業務には嗅覚を利用して患者の状態を判断することが不可欠であることを衛生士論文を提出して立証。その結果嗅覚の脱失についても裁判基準による賠償額を獲得できた。

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