慰謝料について

                                                              
                                                               弁護士 稲田秀輝

 
1 慰謝料とは
 
 今回は、交通事故に遭った場合に発生する損害項目の1つである「慰謝料」についてご説明します。ここにいう慰謝料とは、交通事故によって被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われる賠償額のことをいいます。
 慰謝料は大きく分けて「死亡慰謝料」「傷害慰謝料」「後遺障害慰謝料」に分類することができます。
 もっとも、慰謝料には、いわゆる自賠責基準、任意保険基準、裁判基準という3つの異なる基準が存在します。具体的には、自賠責基準が一番低く、これに対して裁判基準が一番高く、任意保険基準がその中間という位置づけになります。本コラムでは、ご相談者様からご依頼をいただいた場合に弁護士が利用する裁判基準を前提として説明させてもらいます。
 では、以下、それぞれについて説明します。



2 死亡慰謝料について

 死亡慰謝料とは、文字通り被害者が死亡したことに対して支払われる慰謝料をいい、ここには、死亡した被害者本人と遺族の精神的苦痛に対する賠償が含まれます。
 死亡慰謝料は、裁判例においては、死亡した被害者が一家の支柱であったか、母親・配偶者であったか、それ以外であったか、によって異なる傾向にあります。以下、一応の目安となる慰謝料の額を挙げておきます。

            一家の支柱  2800万円
            母親・配偶者 2500万円
             その他    2000万円~2500万円

 もっとも、これはあくまでも目安であり、具体的な事情によって増減することになります。
 なお、被害者が交通事故に遭い、受傷後、死亡に至るまでに傷害を負った状態が一定期間続いた場合には、別途、後述する傷害慰謝料が算定されることになります。



3 傷害慰謝料について

 傷害慰謝料とは、病院に入院や通院したことに対して支払われる慰謝料のことをいい、治療のために要した入院・通院の期間に基づき、算定されることになります。
 例えば、交通事故により右足を骨折し、病院に4ヶ月間通院した場合には、90万円の慰謝料が発生することになります。
 もっとも、いわゆる「むち打ち症」で他覚所見がない場合や軽い打撲・挫傷の場合には、上記の基準とは異なる基準を用いますので、上記と同様4ヶ月間通院したとしても、慰謝料の額としてはやや低く、67万円となります。その理由として、これらの症状は、外部からその傷害の存在を確認することができず、客観妥当な入通院期間の見極めが困難であり、場合によっては長期間の入院・通院になってしまうことも珍しくなく、上記の基準を用いると他の傷害の場合と不均衡となるからです。
 また、通院期間が長期にわたっても実際に通院した日数が少なければ、実際に通院した日数の3倍~3.5倍の日数が通院期間とみなされ、慰謝料の額としてはさらに低くなる可能性があります。



4 後遺障害慰謝料について

 後遺障害慰謝料とは、後遺障害が生じたことによって支払われる慰謝料のことをいいます。これ以上治療を続けても改善が期待できない場合に、いわゆる症状固定となり、後に残る障害が後遺障害となります。
 後遺障害慰謝料については認定された後遺障害の等級に応じて算定されます。例えば、等級として一番低い14級が認定された場合には110万円となり、これに対して等級として一番高い1級が認定された場合には2800万円となります。
 なお、重度の後遺障害の場合には、近親者にも別途、慰謝料が認められます。なぜなら、重度の後遺障害の場合には被害者の介護を余儀なくされた近親者の苦痛を看過し得ないからです。判例上は、「死亡した場合に比肩するほどの精神的苦痛を受けた場合には近親者に慰謝料請求権が認められる」と判示していますが、実際にはやや広く認められる傾向にあります。



5 最後に

 以上のように、慰謝料の算定には、専門的な知識や経験が必要ですので、交通事故に遭って苦しい思いをされている方は、一度お気軽にご相談ください。  

弁護士コラム



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